いま思うこと

あれよあれよと言う間に今年の授業も衆議院選挙も終わってしまいました。
さぁ、来年は、原発は、どうなるんでしょう . . . ?

さて、今年私の受け持つ2年生の授業では、積極的に校外に出てアドミュージアムで広告の歴史の講義を受けたり、印刷工場を見学したり、活躍するデザイナーの仕事を紹介するビデオを見たりして、どうやってデザインが生まれるのか、その役割、社会とのつながりやしくみを学んできました。作るだけではなくそうやって色々な方の仕事を見たり話を聞くのも結構ためになるものです。

それに勢いづいて、私も先日CMディレクターの今村直樹氏とアートディレクターの副田高行氏の生の話を聞いてきました。今村氏はダイワハウスや吉永小百合の 出演しているシャープ「AQUOS」のCMをつくられた方。副田氏は同じく「AQUOS」や最近ではトヨタの秀吉と信長がタイムスリップするCMのグラフィックの担当をされた方です。彼らはもともとサン・アドというサントリー系の広告代理店に勤めていた方ですが、独立してからも一緒に仕事をされることが多かったようです。
話は、テレビが中心の60年代の広告から、バブル全盛期の広告、そしてITバブルがはじけ、広告がCMからWebやソーシャルメディアに移行した現代までの広告の変遷を紹介しながら、本当の広告のありかたとは、そして未来はどうあるべきか ということを話されていました。
また、話の中で最近CM撮影中にスタジオの隅にあるモニタをクライアントが見て 「クライアントさんからOKでました!」という声を良く聞く . . . CM監督は俺なのになんでクライアントがOKだすんだ…!(笑)とそんな話も面白かったです。
話の最後には梅原真氏という方に取材した話が出てきたのですが、「梅原真」そういえば前にテレビで見たような . . .

気になって家に帰ってからビデオを探しだし、今年最後の授業で学生たちと再び見ることにしました。
彼は地元や地方の一次産業で規模が小さく知名度がない、広告を打つ金もないなど、商品を売るには不利な条件ばかりの仕事を引き受け、次々とヒット商品を生 みだしてきたデザイナーなのです。今まで授業で見てきた有名企業や大手代理店を相手にしている有名なデザイナーとは趣が違っています。

そんなビデオを見ているうちに再び、そういえば広告ってなんだろう?デザインをするとはどういうことだろう?と再び思うようになってきました。
街には画一化された商品が並び、似た様なタレントを使った広告が並んでいる。デザイナーは、代理店やクライアントが喜ぶ広告を日々厳しい予算とスケジュールに追われた中でデザインをしている。コンペのために一生懸命作ってもデザインを決定するのはよくわかっていないクライアントの時もある。
それって本当に必要とされている人のために作っているのでしょうか?

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そんなこんなで、ビデオを見ているうちに「信頼」という言葉が浮かんできたのです。

仕事を依頼する人、デザインする人、商品を買う人、全て関わっている人たちを信頼し、信頼を裏切らない仕事を精一杯する。生産者はいいものをつくり、広告はデザイナーに信頼をおいて任せ、デザイナーはそれを裏切らない。消費者はその商品や広告を信頼し買い求める。
そう、広告は信頼をつなげるひとつのコミュニケーションツールなのかも知れません。
デザインだけの話ではないですね、注射や薬だって、お医者さんや薬品会社を信頼できなければ使えないのと同じ事。自動車も、メーカーを信頼してなければ運転もできない。

同じ仕事をするなら、デザイナーとして信頼され、裏切らないデザインをできるように。
とても、とても当たり前のことなのだけれども、先生も学生たちも(そう政治家も)信頼されるように頑張らないといけないですね . . .
そんなことを思いながら、今年もそろそろ終わり、どうかよい新年をお迎えください!

榎本 幹男

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日本デザイン福祉専門学校グラフィックデザイン学科 STAFFブログ 先生や副手達の日常や仕事の話、学校の出来事やデザインのこと、趣味の話、普段聞けない思い…(笑)等々...
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