同じ浜辺に

連日の夏休み前の懸命な課題提出の追い込みも終わり、学生、先生達共に前期授業の山場を越し、ND egGの三号目も出来上がり、とりあえず、ほっと一息の感じで夏休みを迎えることが出来ました。
まだまだ、これから卒業までの心配事はつきませんが(苦笑)、みんなお疲れ様でした。

そこで最近、急に本がどんどん山積みになっていることに気がつき . . . (汗)
読みたいと思って買ってきて、数ページを読んでは放置、又続きをちょっと読んでは、の繰り返しでなかなか進まない。そのうち内に又読みたい本が出てきて、どんどん溜まってしまう。 
んー、なんとかせねば . . .
今止まっている本の中に、ハーバード大学の人気教授、マイケル・サンデル氏のベストセラーが一冊、難解な哲学的体系や手法を分かりやすく興味深い講義内容で、様々な問題への解決の糸口として提起していく。世界的に広がる格差社会の中での功利主義の矛盾、最大幸福の問題点、考え方と正義を追求していく。暗雲とした今日の社会状況で皆が答えを探す中、氏の歯切れの良い問答が心に響き、何かを導き出してくれるのかも知れない。

若い頃、どうも日本の旧態然とした大人社会の都合や論法が釈然とぜず、頭の中のもやーとした雲が晴れず苦しんでいる時、ヨーロッパの整然とした哲学的な考え方が時として心地よく、雲の合間に少し陽光が差し込んだ感じだっだが、勉強不足のせいかその先の専門的な哲学書になるとどうも難解で敷居が高い。
地続きの隣接した国々で、はっきりした論法で自国の思想や主義を正義として戦ってきた人たちと他国との境界線が海に囲まれ、離れていた島国の日本人のはっきりしない、争いごとを好まない優しく曖昧でデリケートな感性、宗教的自然崇拝の世界観。
IT革命やグローバル化が進む中、従来の日本的な感性ややり取りだけでは通用せず、様々な問題が世界中で起きている時代、皆にとって最善の幸福への答えを明瞭な哲学的手法で導きだそうする内容、真理への追求が多くの人々を惹きつける一冊となったのだろうか。
が一方で、文化やデザインには日本人独特の海に守られ育まれてきた繊細な感性や白黒の外側にある人間を中心としない自然を尊む「和」や「無」への精神性も大切な財産であることは間違いない。

日本人の平面に対するデザイン感覚はとても評価が高いのです。

ということで、話は変わりますが、今年の夏も同じ時期、同じ浜辺にしばらく行く予定です。何故か、若い頃から海が好きで、通年で波と風と海に遊んでもらっていた時期があったり、近場の喧噪とした夏の海からどんどん逃げ出し、いい海を探してアジアのリゾート地に辿り着いたりー。
そこでは、美しいプライベートビーチの両脇に、ものものしく護衛兵が銃を持って立っていて、ちょっと違和感を覚えたりしたのだが、夕方潮が引き沖まで遠浅になった時、どこからともなく現地の子供達がぞろぞろ出てきて、何事かと様子をみにいくと、食材となる魚介類をとっていたらしく、近寄っていって訪ねると、小さな子供が屈託のない澄んだ瞳で手際よくナイフで小さなウニの中身を取り出し、手のひらに乗せ差し出してくれた。

美しい海が美しい人を作るとしたら、美しいデザインも美しい人を作る。

で、そんなこんなで辿りついた日本のビーチ。
なんだ日本にもこんな綺麗なビーチがあったんじゃないか、の世界。
少し飛行機に揺られるけど、海が穏やかで透き通っていること。
人が少ないこと。治安がよく安心して過ごせること。砂が白く裸足で歩けること。海に入るとすぐに熱帯魚が泳いでいること。
色んな世界で新しい世界や人々に出会って、見識や世界観を広げていくのは若い頃とても大切だと思うけれど、今は毎年、同じ日、同じ海、静かで美しい同じビーチに立てるのが最大幸福の時。
生命に感謝して、又この日の為に出来るかぎり頑張り続けようと思う。

中保 誠

NDCG の紹介

日本デザイン福祉専門学校グラフィックデザイン学科 STAFFブログ 先生や副手達の日常や仕事の話、学校の出来事やデザインのこと、趣味の話、普段聞けない思い…(笑)等々...
カテゴリー: 中保 誠 タグ: パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です