コロナという未知のウイルスの脅威は、誰しも初めての体験で、何の準備もない中、混沌とした状況で、2020 年の新学期を向えることになりました。
オンライン授業といっても実技中心の学習で、通信環境や使用するパソコン、ソフト等、 すべてを皆同一に整えるのは、ほぼ不可能で、アナログ画材を使った制作もデジタルの データに転換させてしまうと、その意味が半減してしまいます。対面でのコミュニケー ションの大切さ、体感や五感を通してのトレーニング等々、様々な課題をどうするか? そんな状況下で、なんとか対面授業が始まり、様々な制限下の中、先生方の協力を得て 試行錯誤しながら授業を進め、進級、そして卒業制作までたどり着きました。
1 年生は 20 名あまりの学生たちが入学しましたが、この大変な状況下でも授業開始後は、 ほとんどの学生が休まずに登校し、熱心に授業に取り組んできました。
しかし、マスクとソーシャルディスタンスで学生間の交流もなく、長引くコロナの影響で 経済的状況も悪化し、感染症や将来への不安を抱え、体調やメンタル面に支障を来す学生 も出てきました。それでも大半の学生達は熱心に就学活動を継続し、この状況を乗り切り 進級、卒業制作までやり遂げました。
まだしばらくは厳しい状況が続きますが、この経験が、コロナ収束後の未来で大きな力に なってくれることを願い、それぞれが今出来る最善の方法を探りながら進んでいければと 思います。
そしてもう一つの報告です。
グラフィックデザイン学科の募集が昨年度から終了しました。 数年前の校名変更と、デザインに特化した専門学校から、新たな学科編成での複合的な専門学校への新しいスタートとなり、一番長い歴史をもつグラフィックデザイン学科もその幕を閉じることになりました。
数多くの卒業生たちを輩出し、実績ある学科なので、寂しさと残念な気持ちは残りますが、 時代の流れと長い歴史を持つ本校の新たな出発です。今いる学生たちは、卒業まで従来と変わらず、十分な力をつけて社会へ送り出せるようしっかりとサポートしていこうとの思いを先生方と共有し、このコロナ禍での就学活動を出来る限り充実させていきたいと思います。
今までご尽力頂き、支えて来ていただいた数多くの卒業生、関係者を始め様々の方々に感 謝します。ありがとうございました。 今年が最後の学生達になりますが、引き続き宜しくお願いします。
グラフィックデザイン学科主任
中保 誠
○ 2021年 2月16日 内覧展MOVIE
進級・卒業制作作品画像はコチラをご覧ください。