友人夫婦から「餃子の絵がほしい」とオーダーをいただいた。
さすがの視点に惚れ惚れする。どんな餃子の絵がうれしいかな、粉をこね生地を寝かせ餡を皮に包む段になって気が付いた。わたしは上手に餃子を包めない。あのきれいな波型は得られない。
名店の焼きたて熱々を嬉々として持ち帰る。箱を開けると蒸気を浴びたしっとり餃子の仕上がり。
生餃子を焼く。羽根付き餃子も焼いてみる。羽根付きってうれしいもの。粉とお水の割合を変えたりするうち奇跡的にいい羽根が焼けた。
これだと描き終えた絵を見てびっくりした。抽象画か?オーダーは餃子の絵なのに、羽根に隠れて餃子の姿を見失う…。
餃子、いつも近くにいていろいろ見過ごしていたのかな、すこしおセンチになるも、学生さんと行く例の中華料理屋さんの餃子を思い浮かべたらすごく簡単に元気になった。水餃子も焼餃子も美味しくて、一皿の餃子の数が定まらず(人数に応じて何も言わずお値段変わらずそっと増量されている)、そして店主の眼鏡のレンズが厚い。
焼き目のカリカリ、もちもち&粉の匂い、お皿にまるく並ぶ姿、銘々小皿に転がる餃子、お酢はお好みで。
描くときはいつも資料を見たり探したり、見て触って景色を眺めて匂いや音や味があるものは確かめられたらなおよい。
以前にスーパーで山盛りの枇杷を前に微動だにしない友を発見、これから仕事で枇杷を描くという。あなたもそうなのね。
うっかり餃子週間もよし、香ばしいもちもちの餃子を描くことに集中、無事にお届けできました。
↑ もうひとつ、渡邉ゆりえさん(卒業生)の個展が銀座フォレストで11月1日まで開催(終わるころの記載となってしまいごめんね)。
先に一年の清水くんが見てきたと、すごかったすごかったを連呼するので何がすごかったかを尋ねるとすごいを連呼。清水くんの言うとおり!すごかった!
そのあと「真穴みかん写真展」へ。みかんの表情、育てる人の厚い手、土地の空気、湿度や匂いがする写真に見入ってしまう。
手にのせたみかんの小さな重さを感じて今すぐ食べたいし食べた気分。松屋銀座7階デザインギャラリーにて11月10日まで。
http://marumamikan.com/exhibition/
本村 加代子