闇の中に現れたものは……

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ここはまるで、古代遺跡の中にいるような厳粛さに包まれています。
最近、あまり感動という言葉をつかったことのない私ですが、久しぶりにその言葉の中に佇むことができました。

先日、とあるイベントの反省会という名目で旅行に行った帰りのことです。
反省会とはいわゆるその言葉にかこつけた飲み会であることには間違いはないのですが、「ここまで来たのだからどこかに寄りましょう」ということで、ネット検索……。
東京まで戻る途中に、「大谷資料館」というのを見つけたのです。
聞いたことはあるけど……、まぁ寄ってみようかということで、高速を降りてしばらく街中をぬけると小さな丘の壁面にある資料館にたどりつきました。

入り口で入館料を払って入ろうとすると、その格好(ポロシャツ)ならこれをお使い下さいとショールを渡されたのです。中の気温は9℃しかないというのだ……。

さて、「大谷石(おおやいし)」を皆さんは知っているだろうか?
私が幼い頃は、家の門柱や擁壁などによく使用されてれいて、名前もよく知っていました。さわると温もりがあり、軽く、さらに耐火性もあり、柔らかく加工しやい石なのです。資料によると、奈良時代から利用され、大正時代には旧帝国ホテルにも使用され、関東大震災でも壊れることはなかったそうです。現在ではコンクリートブロックなどが普及し、街中ではあまり見ることができませんが、その素材感・質感を建造物に取り入れるため薄くスライスした壁材や床材が使用されているそうです。

もう、お気づきでしょうか? そう、ここは地下にあるその大谷石の採掘跡なのです。
東京ドームが1つがすっぽりと入ってしまう大きさで、大谷町にはこの規模のものが2〜3ヶ所あるそうです。
切り出した壁面の石肌には、手堀り時代のツルハシのあとが残るものの、機械で削ったように垂直水平に整い、見上げる高さは30m。なんとも驚きなのは、この広い空間にあった石を私が生まれる頃(昭和35年)まではツルハシと矢(くさび)を使った手掘りで、さらに切り出したひとつ150kgもの石を背負って搬出していたということです。150kgですよ!
今、漆黒の闇の中を照らすのは、ところどころ地上に開けた小さな穴から差し込む明かりと小さい電球だけ。地下の冷たさもあいまってずっしりと年輪の重さを感じ、地底人の古代遺跡を思わせる景観は圧巻でした。燐としたこの坑内も、昔は多くの職人たちで賑わったのでしょうね。

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前期の課題提出の山を越えれば、夏休みが待っています。暑い夏、家にくすぶっているなら、涼みに大谷まで出掛けてみたらいかがでしょうか? きっと感動しますよ!

大谷資料館 栃木県宇都宮市大谷町909
http://www.oya909.co.jp/

榎本 幹男

NDCG の紹介

日本デザイン福祉専門学校グラフィックデザイン学科 STAFFブログ 先生や副手達の日常や仕事の話、学校の出来事やデザインのこと、趣味の話、普段聞けない思い…(笑)等々...
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