オリンピックエンブレム A 案を選ばなかった訳

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先日のTV取材のエンブレム選考の予想コーナーで、見事予測を外しました(笑)

最終的には、プロフェショナルで一番デザイン的完成度の高い、隙のないモダンデザインの流れを踏襲した威厳ある大人のデザインに落ち着いた様です。デザイン的には、本当によく計算された優れたデザインだと思います。
でも、前回のブログでも触れていた現代アーティストの山元勝仁先生に作ってもらったらどんな感じになるか、ちょっと見てみたい気持ちです。

オリンピックエンブレムの件に関しては、以前のブログでも触れましたが、競技場デザインの再考や前回のエンブレムデザインの盗用疑惑騒動で、少し悲しい気持ちとさめた気持ちで見守っていたのですが、たまたまのタイミングで日本テレビの番組 ZIPの予想コーナーの取材に応じることになりました。

今回選ばれたエンブレムは再考された競技場のデザインの時と同様、A案に決まりました。新しく決まった競技場のデザインイメージとも連動していて、ある意味、とてもうまく展開されています。
前回のエンブレム騒動の件もあり、一般の人たちの意見も考慮する審査員がもっといるかな、とも思ったのですが、ここはやはり各界を代表する実力者達、揺るぎない意思とデザイン的審美眼をもった選考委員だったようです。

で、自分では、出来ればこのラインを除いたちょっと違う視点から、未知数でも、完成された魅力ではない他の3点のデザインの中から予想をたててみたのですが…。
このB案に関しては、A案の緻密に構築されたデザインに対し、力強さや完成度には欠けるものの、ちょっと隙のある直感的で優しいデザインが若々しく、親しみやすく、デザイナーの卵たちの可能性に賭ける立場としてはいいかなーと。
当てることを期待していた皆さんには、ごめんなさい。
平和と調和のテーマも、今更のことかも知れませんが、このところのテロや国家間の諍い、世界各地で起こる自然災害等々、なんだか暗雲立ちこめる今の世界情勢や人々の生活を想う時、無機質な日本的ナショナリズムより、ギスギスした気持ちを包み込む有機的な曲線を主体とした素直な平和志向へのグローバリズムを感じさせる方が、タイムリーに一般の人々の心に届くように思いました。

大人の事情に関しては、アーティストでデザイナーとしても、とても活躍されている前回のエンブレムの選考委員でもあった平野敬子氏が、 オフィシャルブログで独自の見解を発言されていて、大変なことになっているようですが、本物のクリエーターらしく毅然としたスタンスが、とても素敵で頭が下がります http://hiranokeiko.tokyo/ 。個人的には一番選考委員にふさわしい人物に思いました。

オリンピックは国家を挙げての一大事業で、スポーツだけでなく、政界や経済界、様々なジャンルの団体、人々の思いや利権も絡み、単純な構造でデザインも動くわけではありませんが、そういう事情も含め、いいかどうかはわかりませんが、一昔前と違って、色んな意見、考えがどんどん表に出くる時代、今回の一連の流れを通じ、その問題にこれからのデザイナー達が、どう向かい合い、どういうスタンスで仕事に取り組んでいくのかは、とても重要な課題になると思います。

そんなこんなで、僕の予想は外しましたが、とりあえず、これでエンブレムデザインの一件が落ち着いて前に進んでくれることを願います。仕事の大きさは問わず、でも優れたデザインはデザイナー達が、表面に出ない部分で、真摯な姿勢で、大変な時間と労力を使い身を削って作品を生み出しています。それはどのデザイナーでも変わりない。
2020年、市松模様のクールジャパンのエンブレムが、鍛え上げられた選手達のユニホームの胸に、その活躍共に、堂々とハレの場で美しく映え渡ることを期待して。

中保 誠

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